N2interior ディレクター 藤野寛子の日常に触れる
『The Director's Perspective|暮らしの視点』Vol.23
このコンテンツは、
ディレクター藤野のInstagram 1フォロワーだった N2interiorスタッフが
彼女と共に時間を過ごす中で生まれたものです。
今回は、最近訪れた場所と、その景色の中で感じたことについて。
「ただベーコンを買いに行くはずだった朝」が、思いがけない風景との出会いへと変わった今回のエピソード。
偶然見つけたその風景から、藤野が感じたこととは。
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水没ペンション村

朝、イングリッシュマフィンに挟むベーコンを買いにスーパーへと車を走らせた。つもりだった。なんだか心地良い朝の空気につられ、そのまま1時間ほどドライブへ。
岡山ブルーラインは信号も少なく、瀬戸内海を見下ろせる気持ちいいルートだった。
そこを降りてしばらく進むと、見たことのない景色が突然目の前に広がった。
海に沈んだ家だった。しかも何軒かある。え、津波?豪雨?いろんな災害が頭をよぎったが、どれとも言い表せない妙に静かで穏やかな雰囲気がそこにはあった。
不気味、不穏、といった言葉とはかけ離れた神秘的な光景。
まるで、ジブリ映画に出てきそうな美しさ。調べてみると、1980年代に栄えたリゾート村らしかった。
排水が必要な埋立地だったところ、施設が閉鎖したと同時に排水機能も停止。ここ数年で海にかえっていったのだとか。

かつて人々が食事をし、笑い合い、ひと夏を過ごした場所。
その記憶だけを残して、建物が自然へと回収されていった。
たとえば跡形もなく更地になっていたなら、ここまで心惹かれはしなかったと思う。
人の手によってつくられたものが、ゆっくりと地球に還っていく。
その姿が、幻想的で、荘厳で、ものすごく美しかった。
過去と現在の境界が曖昧になるとき、説明できない間(あわい)が生まれる。
そしてその間(あわい)に、私たちは神の気配を感じるのかもしれない。
ジブリ映画に見るそれのように。
ぜひ近くに用事がある際は寄ってみてほしい。
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Vol.23では、思わず引き込まれるような景色とともに、藤野の視点をお届けしました。
スタッフの私自身、藤野から日々の出来事や、そのとき感じたことを聞くたびに、
「もし同じ景色を見ていたら、私はどう感じただろう。」
「その想いを誰かに伝えるなら、どんな言葉を選ぶだろう。」
と、考えるきっかけをもらいます。
写真とともに藤野の視点に触れていると、まるで自分もその場所に立ち、その景色を一緒に見ているような気持ちになることも。
みなさんにも、この景色の空気や時間まで、そっと感じてもらえていたらうれしいです。
次回も、ぜひお楽しみに。















